『転勤族の妻で正社員で働くということ』のハードルとメリット

『転勤族の妻で正社員』を考えたとき、どんなイメージをもちますか?

「大変そう」「羨ましい」「恵まれた環境のごく一部の人の話」・・・いろんなイメージがあるとは思います。また、転妻が子供がいるかいないかによってもイメージが変わってくるかもしれません。とは言え、私自身がそうだったように、ネガティブなイメージをもっている人の方が多いのではないでしょうか。

この記事で、『転勤族の妻が正社員で働くということ』を私自身の経験と実感を基に、改めて具体的に考えてみようと思います。

転勤族の妻ならではのハードル

①家族の時間が減るかもしれない

転勤族―――いずれ単身赴任を考えているのであれば、家族で過ごせる時間は転勤族でない家庭に比べて短くなります。仕事の休日が、子供の休日や夫の休日と一緒であれば問題はないでしょう。

私自身、正社員から専業主婦になり夫の休みの日に都合がつけられるようになったので、家族の思い出として転勤地やその周辺への旅行へ行ける機会が増えました。働きたい気持ちはありましたが、結果的に良かったと思っています。

転勤族でない家庭に比べて家族時間が限られている転勤族だからこそ、仕事を始めて家族時間が減るということの重みが増してきますね。

①夫の転勤の度に退職しなければならない雇用がほとんど

近年、在宅勤務という働き方が増えてきているとはいえ、雇用されている人の大半は在宅でなく指定された勤務地で働くことになります。
そのため、そこでの仕事や人間関係がどれだけ良好でも、転勤辞令が出て帯同するのであれば辞めざるを得ません。

そうとなれば雇用する会社側からすると、数年で退職すると分かっている人を正社員で雇うよりもそのリスクが少ない人の方を雇おうとする傾向にあります。人材育成にも費用がかかるからです。せっかくいろんな仕事を任せられるようになった時に退職されてしまっては、会社側にもマイナスになってしまいます。
これが転勤に帯同する妻が仕事をしようと思った時に最も高く感じるハードルです。

一番良いのは、『夫の転勤に帯同する』が『自分の仕事を続けられる(キャリアが積める)』のどちらも諦める必要がないこと。配偶者転勤帯同制度がある会社も増えてきているようです。

MEMO
「配偶者転勤帯同制度」とは、配偶者の転勤赴任地に合わせて勤務地を変更できる制度のこと。配偶者の転勤により、退職を余儀なくされてしまうのを避けるのが目的の制度です。
この制度がある会社に勤めることができたならば、転勤辞令に絡む自分の仕事について悩む必要はなくなりそうです。

②子供の預け先の確保が難しい

小学生以下の子供がいれば、常に付きまとうこの問題。小学生であれば放課後の学童サービスを、未就学児であれば保育園や幼稚園など働く間に預かってもらえるところを探さなければなりません。
働くにも預け先がなければ働けないし、預け先を見つけるにも働いている人の方が優先されるし、誰もがジレンマを抱える問題です。
共働き世帯の増加に対して預け先の人数確保が追い付いていないのが現状で、小1の壁や小3の壁とも言われている程、空きのある預け先を見つけるのは至難なことです。
勤務先か預け先のどちらかがその事情を考慮してくれると、このハードルもクリアすることができるでしょう。

③身近に気軽に頼れる人がいない

夫の転勤辞令に帯同することで、子の預け先や頼れる親戚・友人・行政サービスが変わったりいなくなったりします。
頼れる親戚も友人もいない転勤地での仕事・・・。子の父であるはずの夫も、「仕事が忙しく残業が多い」「勤務時間上、帰宅時間は子供が寝てからの時間」となれば、家事育児を一人でやらなければなりません。
「やらなければなりません」という言い方が適切か微妙ですが・・・

もちろん仕事が休日の日など都合がつくときであれば、家庭のこともやる旦那様がほとんどなのだとは思います。それでも家庭のことを全く顧みらないとなれば論外です。(と、個人的に思っています。)
ただ、この「身近に気軽に頼れる人がいない」という状況は転勤族でなくてもよくあることです。

 

「身近に気軽に頼れる人がいない」は転勤族でなくても大勢いる

「転勤に帯同していて身近に気軽に物事を頼れる人がいない!」と大変に思うこともあります。とはいえ、転勤族でなければ無関係なハードルなのかと考えてみると、

家族で都心に暮らしているが、双方の親は田舎で暮らしておりすぐに何かを頼める物理的距離ではない

A子

物理的距離は近いが家庭の事情で親とは疎遠、夫の親にも頼りにくい

B子

という人も中にはいます。核家族化が伊地知るしい現代、転勤族でなくても、「身近に頼れる人がいない」という状況の人は割と多いです。

私自身、夫が地元の支店に配属されたとき後者の理由で、顔出しに行くことはあっても子供を預けたり子供の保育園の行事に呼んだりしたことはありませんでした。幸い、双方の職場の理解も得られて夫婦で解決できることばかりだったというのもあります。

この問題を解決するための3つの方法

  1. 夫婦間で家庭内の問題を共有し、よく話し合う
  2. 行政のサービスを利用する
  3. 頼れるような友人をつくる
①について、この解決法は基本中の基本。夫も家庭のことをよく知るべし!

特に子供のことは当たり前に把握してほしいというのが本音。「子供の預け先は見つかりそうなのか」「子供が最近何ができるようになったのか」「子供の園・学校生活はどんな様子で、次の行事はいつなのか」どのくらいわかるひとがいるのだろう・・・。

仕事を理由に把握できないなんて言う人がいれば、フルタイムで働く母親がそんな理由で把握できなかったら直接子供が困ることになるのに、父親がこれらを把握してなくても子供が困ることにはそうそうならない。あら不思議。(笑)
結局は、父親は自分が知らなくても何とかなることを知っていて妻に任せているということです。すべて把握できなくても、「どんな?困っていることない?」という姿勢を母親である妻にも子供にも見せておくことは子供の精神発達の上でも大事なことですね。(ここは保育士目線、笑)いやホント、夫婦の会話って大事。

②について、身近に頼れる人がいない転勤族こそ利用していきましょう!行政サービスも転勤の度に調べる必要がありますが、転入届などの最初の必要な手続きの時に窓口で聞くこともできます。
自治体によっては産後のベビーシッター利用に助成金がでたり、仕事をしている親の病児を預かってくれる病児保育サービスを教えてくれたりします。

③について、これは向き不向きあります。社交的な人であれば、児童館などで同年代の子をもつ親と知り合いになったり子供の預け先で知り合ったりする人と交流を深めることができます。その時に、同じように転勤族の妻であったり身近に頼れる人がいないという人にも出会うかもしれません。同じ境遇であればお互い様で助け合う関係性にもなりやすいので、比較的頼れるような友人が作りやすいと思います。

 

 

クリアすべきハードルは3つ!

ここで、これまでの内容をいったん整理すると、転勤に帯同する妻が正社員になるときの転勤族ならではのハードルは3つ。子なし夫婦であれば、ハードルは2つです。

  • 限られた家族時間が減るかもしれない
  • 夫の転勤の度に辞めなければならない雇用がほとんど
  • 子供の預け先の確保が難しい
このハードルが、女性の社会進出や働き方改革、少子高齢化による社会保障費の負担割合の増大などにより共働き生態が増えてきている中で、転勤族の妻が能力を発揮できる機会が限られていると言われている理由です。

つまり、雇用されるまでが大変なわけであって、雇用されてしまえば身近に頼れる人がいないという人は転勤族でなくともよくいるので、理解も得られやすいし何とかしなければならない状況になるので何とかなります(笑)
とはいえ、転勤族の妻が正社員になることは悪いことばかりではありません。

 

転勤族の妻が外で働くということのメリット

誰かの何か、ではない個人のつながりができる

転勤地で結婚前からの友人もいないとなれば、「○○の奥さん」や「○○のママ」と認識されることの方が多くなってくるでしょう。そんな中で外で働くと、「○○さん」という個人としてのつながりができます。
「誰かの何か、ではなく自分自身として認識され付き合いができるというのは嬉しいことなんだ」ということに、実際に経験してから初めて気づきました。もちろん、ママ友の中でも子供同士が別の学校に通い始めても個人同士の付き合いは長く続く人もいると思いますが、私のようにそのような付き合いが得意ではない人にとって「誰かの何か、ではない個人のつながりができる」ということはメリットだと言えます。

家事育児の息抜きにもなる

唐突ですが、度々ニュースでも目にする母子の無理心中の大半が、母親は専業主婦だとご存じでしょうか?
周囲とのつながりがなく、夫の帰りが遅いとなれば、日々の会話は子供とだけ。子供も意思疎通できる年齢でなければ、子供に声掛けすることはあっても会話する相手はほとんどいない…という状態になります。急に社会から取り残されたような感覚になる人も多いと言えます。転勤族の妻は、転勤により特にそのような状況になりやすいのです。
「転勤族の妻でうつのような状態になった」人も珍しくはありません。このような現状を知っているだけでもまた違ってきますが、外で働くことにより子供を預けられて職場の人や接客の中で会話することが増えるので、鬱になりやすい状況から抜け出すきっかけにもなり得ます。
また、仕事の通勤時間や休憩時間は自分の時間として使えます。休憩時間を使って銀行に行くのも、家事のうちかもしれませんがいつもと違った景色がみえるかもしれません。

 

 

「転勤族の妻で外で働くということ」――――「大変そう」などといったマイナスなイメージが先行しがちですが、必ずしもデメリットばかりではないことはお分かりいただけたでしょうか。

  • 最も高いハードルは雇用されるまで
  • 雇用されれば何とかしなければならない状況になっても何とかなる
  • 働くことが息抜きになったり自分の世界が広がることにつながる
自分が「働きたい」という思いがあり、転勤族の事情を理解してくれる職場と子供が安心して過ごせる預け先が見つかれば、数年ごとに転勤がある転勤族の妻でも正社員で働くことは可能です。

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